prodotto da Piero Colasanti
produttore esecutivo: Franco Marino
produzione artistica: Gianfranco Caliendo e Adriano Pennino
arrangiamenti: Adriano Pennino
hannno suonato:
batteria e percussioni: Vittorio Riva
basso: Aldo Mercurio
chitarre: Gianfranco Caliendo, Maurizio Fiordilisi
tastiere e programmazione computer: Adriano Pennino
sax soprano: Daniele Scannapieco
tromba e flicorno: Giovanni Amato
cori: Il giardino dei semplici
歌にも曲にも、これといって個性はないのだけど、ほんのりと甘くロマンティックな感じが魅力といえそうです。
主にアルバムの前半は軽快なポップ・チューン、後半はしっとりとしたスロー・チューンという構成は、アルバムとしてはどうかとも思いますが、それぞれのタイプの曲でそれなりにVito Marletta(ヴィート・マルレッタ)らしさのようなものは出ています。あたたかみのあるやわらかな声をしていて、どことなくナポリを思わせる歌いまわしが心地よいです(南部出身なのでしょうか?)。
M1「Innamorarsi e'」はちょっと初期のPaolo Vallesi(パオロ・ヴァッレージ)を思わせるメロディを持っています。なだらかな起伏とVitoの少し甘い歌がよく合います。
M2「Grande」はラップ風のヴォーカルで始まります。女性のコーラスも入り、南イタリアっぽい明るく軽快なポップスになっています。
M3「Una citta' per noi」にはどこか歌謡曲っぽい人懐っこさがあります。いくぶんアメリカ風なニュアンスもありますが、フレーズのひとつひとつにはイタリアらしさが感じられます。フィルインしてくるキーボードの罰金具にタバコの「マールボロ」のコマーシャルを思い出しました。
M4「Lettera a Dario」は落ち着いたバラード。ちょっとアフリカっぽい(?)打楽器や美しい古ーとも入り、おだやかな広がりを感じます。ほんの少しプログレッシヴ・ロック風かも。
M5「Credo in te」は南のリゾート的なおだやかさが心地よい、なめらかな曲。コーラスでIl giardino dei semplici(ジャルディーノ・デイ・センプリーチ)が参加しています。明るい陽射しと乾いたあたたかい風が感じられるような曲に、Il giardino dei sempliciのコーラスがさらにそのイメージを後押ししています。
M6「I poeti non cambiano」は哀愁を感じさせるマイナー・キーの曲。それまで明るくあたたかい曲続きだったので、ちょっと印象的です。枯葉の舞う古いヨーロッパの街路を歩いているようなイメージが浮かびます。さびからメジャー・キーに転調するので、曲全体では哀愁オンリーにならず、前向きな明るさも感じられるのが好ましいです。
M7「Lascia che sia」はM6と逆に、メジャー・キーから始まってさびでマイナー・キーに変わる曲。サビのフレーズがとてもナポリっぽい感じです。やはり南部出身なんだろうか。
M8「Piccola immensita'」はピアノを中心としたスロー・バラード。甘めの声でロマンティックに歌っていますが、曲自体は平凡です。アレンジも単純。
M9「Scacchi」も南部っぽい曲。イントロや曲中で使われているのはアコーディオンをシミュレートしたシンセサイザーでしょうか。ちょっと音が薄っぺらいです。もっと深みのあるアコーディオンを使えば、さらに陰影が際立ってよい感じになりそうなのですが。チープな音になっているのが残念です。
M10「Ddoje note」は暖かい南の夕暮れ時が似合いそうです。ロマンティック・サンセットを思わせるスロー・チューンで、ソプラノ・サックス(かな?)の丸い音もムーディに響きます。
全体に、もう少し曲の構成や展開にドラマ性がほしい感じです。そのあたりが平凡なので、アルバムとして平凡に響きます。ただ、平凡なのも悪くないなとも感じます。