Maria Eugenia Ciliberto: guitarra
Marisela Perez: lider vocal
Walton De Jongh: percusion, efectos especiales
Domenico Prioretti: bateria
David Maman: pianos, clavinet, string ensemble, moog sonisix
Agny Mogollon: bajo
narracion: Gustavo Pierral
arreglos: Estructura
produccion: Gonzalo Lazzari
ヴェネズエラ(南米でしたっけ?)のグループだそうです。デビュー・アルバム。
もうね、出だしからロックなビートにキーボードの速いアルペジオ、突然のスローへの場面転換、そして歌心あふれるヴォーカルと、一気にプログレ心をわしづかみにされましたです。
ギターをはじめ、すべての楽器がヘヴィ・メタルの洗礼を受けていないのが、自分にとってはとても好ましい。より人間的で情熱的でしかもハードなロックにドラマティックなプログレッシヴが乗っかっている。コンピュータ・プログラミングに頼らず、演奏者がそれぞれ自分の手足をフルに使って、自分の持つ演奏アイデアを実現しようと楽器を操っている。そうして出てきた「音」に、やはり心動かされてしまいます。
キーボードとギターを中心にした、緩急自在でいくぶん強引な展開も、少しフラワー・ムーヴメントのころを思い出させる女性ヴォーカルも、一瞬カルメン・マキ&OZのライヴ盤を思い出してしまったいかにもあの頃なキーボードの音色も、どれも好ましい。ナレーションを途中にはさんだトータル・アルバムというのも、いかにもプログレッシヴ・ロック的。演奏もメロディも構成も、どれをとってもロックの高揚感があり、聴いていてワクワクするプログレッシヴ作品になっています。
ドラマティックで美しくて、哀愁パートもたっぷりなのだけど、でもあとに残る印象が華やかでしあわせな感じがするのがまた、いい感じです。これまでに自分が聴いたことのある南米のプログレッシヴ・ロックって、深みのないユーロピアンみたいな印象のものが多くて、あんまり好きになれなかったのですが、このアルバムはかなり好きになりそう。突き抜けた感覚で素直にプログレッシヴ・ロックの演奏を楽しんでいる感じがするからかなぁ。これがヴェネズエラのロックの特徴なのか、それともEstructura(エストゥルクトゥラ)の持ち味なのかはわかりませんが、少なくともこのアルバムはプログレッシヴ・ロックの名盤のひとつといえそうです。