produzione artistica: Luca Chiaravalli
arrangiamenti: Zeropositivo e Luca Chiaravalli
Luca Solbiati: voce, chitarra, piano
Giacomo "Jack" Epifani: chitarra
Paolo Girelli: basso
Diego Bartole: batteria, percussioni
イタリアの若手ロック・グループ、Zeropositivo(ゼロポジティーヴォ)のメジャー・デビュー・アルバムです。Zeropositivoは2000年から活動しており、2002年に自主制作で「Fantasma」というアルバムをリリースしているようですので、通算すると2枚目になりそうです。
Zeropositivoというグループ自体の活動暦はそれほど長くありませんが、リーダーでヴォーカルとメロディ楽器を担当し、大半の曲を作詞作曲しているLuca Solbiati(ルーカ・ソルビァティ)が音楽活動を始めたのは1993年。いまも一緒に演奏しているGiacomo "Jack" Epifani(ジァコモ・ジャック・エピファーニ)とともにSystemBolaget(システムボラゲット)というグループを結成したのが始まりでした。SystemBolagetはそれなりに人気があったようで、いくつかのロック・イベントに参加するなどしてファンを増やし、1996年のRock Targato Italiaではファイナルまで残り、翌1997年のRock Targato Italiaでは優勝しています。
しかし1999年にSystemBolagetのオリジナル・メンバーであったベーシストとドラマーが脱退。翌2000年からZeropositivoとグループ名を改め、新たなリズム・セクションを迎えて活動を再開。いまに至っています。
音楽的には、いわゆるポップ・ロックでしょう。歌詞の内容はわかりませんが、音を聴いているかぎりでは、とくにシリアスさのない、ロックのリズムやビートは使っているけれど本質的にはポップス・グループといった感じの、いわば日本のGley(グレイ... ってこんなつづりだったっけ?)みたいな立ち位置でしょうか。
音的にはギターがクリーン・トーン&エコーを多用してたりして、ロック魂のないU2みたいな印象もあります。ギター、ベース、ドラムがみんなで8分音符を刻むようなリズムが多く、いくぶん単調でもありますが、ねばりがあって、でも暑苦しさはあまりないさっぱり系ヴォーカル(これも最近の流行みたいな印象ですね)は悪くありませんし、ディストーション・サウンドとクリーン・トーンを上手に使い分けるギターの音色も自分には好ましく感じます。
M8「Distorta」のように中途半端にデジタリックで、しかもメロディ・ラインも変、といった曲もありますが、全体にはミディアム・テンポの8ビート・ポップ・ロック。メロディも構成も素直なものが多く、非常に聴きやすいです。
M9「Un nuovo giorno」はアコースティック・ギターの弾き語りのような感じで入り、2コーラスめからはバンドが加わるという、構成的には盛り上がりそうなものなのですが、歌メロが単調で平凡なために、あまり盛り上がらず残念。一方M3「Agosto」は暑苦しさを薄めたFrancesco Renga(フランチェスコ・レンガ)のようなバラードで、こちらはなかなかいい感じです。
M5「Mondo libero」は普通にギターとベースが8ビートをきざむロックで、なんということのないスローな曲なのですが、サビでのベースの下降ラインや、そっと入るコーラスなどに古き良き時代のブリティッシュ・ポップスの香りがして、好ましく感じます。
M6「Aria (che mi dai)」ではクリーン・トーン&エコーを活かしたエレキ・ギターのバッキングがポップなU2風で印象的。ヴォーカルも伸びやかに歌っています。