***< 2006.04.10 >*****************************************************

★ 観たぞ! 聴いたぞ! New Trolls!!

********************************************************< Contents >**


======================================================================
          ★★★ 観たぞ! 聴いたぞ! New Trolls!! ★★★
======================================================================

風邪気味で喉が痛く、個人的なコンディションはあまりよくなかったのですが、
行ってきましたよ、4月8日(土)の川崎Club Citta'。そう、New Trolls(ニュー
・トロルス)の初来日公演です。しかも、オーケストラつきの「Concerto 
grosso live」とな。

自分のなかでは、New Trollsはすでに「プログレッシヴ・ロック」ではなくて
「イタリアン・ポップス」のグループなのですが、そして実際、彼らの音楽の
ベースはプログレよりもポップスだろうと思うのですが、日本ではやはりプロ
グレッシヴのイメージが強いですからね。どうしても「プログレ・ファン対応」
のプロモーションになってしまうのは、しかたのないところではあります。そ
のあたりがポップス・ファンの自分としては、いくぶん不満というか、心配な
ところではありました。彼らの音楽のごく一部でしかない「プログレッシヴな
側面」ばかりを抽出・強調したライヴだったら残念だなと。

でも、それはすべて杞憂でした。彼らの本質は、少なくとも今回のライヴを体
験して感じた彼らの音楽のベーシックな部分は、プログレでもポップスでもな
く、じつは熱いロックだった。

コンサートは、あいだに約20分の休憩を挟む前半と後半に分かれていました。
前半はグループのみの演奏によるパート、後半は女性による(男性もほんの少
しまじっていましたが)オーケストラをしたがえてのパートです。

コンサートの1曲目は、予想もしなかった 「Nella salavuota, 
improvvisazioni dei New Trolls registrate in diretta」。アルバム
『Concerto grosso n.1』のB面(LP)全部を使って収録された即興性の高い曲で
す。これからくるかぁ。いきなりコアだ。しかし、会場の大半を占めていたと
思われるプログレ・ファンのみなさんの反応は悪くなかったですね。

一方、ポップス・グループとしてのNew Trollsが好きなファンなら狂喜するは
ずの「Quella carezza della sera」などは、まわりの観客の反応が薄い薄い。
自分などはVittorio De Scalzi(ヴィットリオ・デ・スカルツィ)が「次の曲は
Quella carezza della seraだよ」と紹介し始めた段階で目がキラキラ&おも
いっきり拍手だったんですが。たぶん、プログレ・ファンのみなさんの多くは
このあたりのNew Trollsのアルバムを聴いていないのでしょうね。

約1時間強の前半では、ほかにも「Il treno」や「Let it be me」なども演奏
されました。「Annalisa」も前半だったっけ? ときどき、バンド・アンサン
ブルの詰めが少し甘いかなと思うところもありましたが、とても1960〜70年代
から活動しているおじいちゃんたちが中心とは思えない、力強い演奏と美しい
コーラスを堪能しましたよ。

休憩を挟んでの後半は、いよいよオーケストラとの演奏で「Concerto grosso」
です。自分は、曲としての「Concerto grosso n.1」の旬はすでに過ぎている
と思っていますので、実はそれほど期待してなかったのですが、まわりのプロ
グレ・ファンなみなさんの熱狂のすさまじいこと。それで余計に自分は引いて
しまいました。

「Allegro」「Adagio」「Cadenza」と、学生時代に聴きまくったおなじみのメ
ロディが流れます。ファースト・ヴァイオリンがもう少し艶やかにひいてくれ
ればなぁ。あと、席の関係か、ファースト・ヴァイオリン以外のオーケストラ
の音があんまりよく聞こえない。まわりの席の人たちはかなり興奮気味のよう
ですが、出来としては「こんなものかな」といった感じでした。CDの
『Concerto grosso live』のほうが、まだ感動的だったな。

オーケストラ・フル・フィーチャーのこれら3曲よりも、続く「Shadows」のほ
うが心地よく聴けました。やはりNew Trollsはロック・グループなんだな。ア
ルバムのなかではあんまりいいと思っていなかったこの曲ですが、ライヴには
合いますね。しかし、これでアルバム『Concerto grosso n.1』の収録曲は全
部演奏されたことになるんだな。

そして「Concerto grosso n.2」へ。むかしはあんまり好きじゃなかったので
すが、いまとなってはこちらのほうが楽しめます。派手で元気のある曲調なの
で、ライヴにも向いてますね。PAのミキシングを調整したのか、オーケストラ
の音もバランスよく聞こえるようになってきたし。

ちなみにオーケストラの前列はヴァイオリンの女性4人で、いちばん左がファ
ースト・ヴァイオリンなんですが、この女性はほとんど終始笑顔で弾いていま
した。哀愁の旋律を奏でるときは、その笑顔はやめようよ。一方、右からふた
りめの女性は、終始つらそうな顔で弾いているのですが、弾いていないときに
ときおり見せる笑顔がなんだか可愛らしかった。いちばん右の女性は、曲調に
合わせて笑顔だったり真顔だったり。オーケストラ・パートがお休みのときは
ずっとバンドのほうを見ていて、ノリのいい曲のときは体でリズムをとってい
たりと、個人的にはいちばん好感触でした。(←いったいなんのレポートだ?)

そのほかにも、「Signore, io sono irish」や「Una miniera」がシンフォニ
ック・アレンジで演奏されたりと、こちらも約1時間強、オーケストラ入りの
New Trollsを堪能できました。

休憩込みで約3時間、演奏パートだけでも2時間半くらいあったのですが、ぜん
ぜん長さを感じない。というか、もっと聴いていたかった(体力があれば、で
すが。最後はちょっと疲れた)。比較的プログレ時代の古い曲が中心だったの
ですが、自分としては『Aldebaran』以降の、もっと新しい(といっても、ずい
ぶん前になるな)ポップス時代の曲をもっともっと聴きたかった... といった
部分はありますが、全体に、非常によいコンサートだったと思います。

ちなみに今回の来日メンバーのベーシストは、元Labyrinth(ラビリンス)の人
だそうで。Labyrinthといえばクラシカル・テイストあふれるメロディック・
スピード・メタルを演奏するイタリアでも屈指のバンド。そのためか、彼だけ
ステージ・アクションが変です。ノリがメタルです。ハイ・トーン・ヴォーカ
ルも、やっぱり少しメタル入ってます。ついつい観客を食い殺してしまいそう
な怖い顔をしてしまうのも、やはりメタルなクセなんでしょうか。せっかくの
ご縁?なので、これを機に、Labyrinthもぜひ聴いてみよう。



■4月8日の演奏曲目■
(Pensiero! BBSより転載)

第一部
Nella sala vuota
Annalisa
Corro da te
Il treno 
Let it be me
Quella carezza della sera
La prima goccia bagna il viso

第二部
Concerto grosso per 1
- allegro
- adagio 
- cadenza
- shadows 
In st peter's day 
Concerto grosso n°2
- vivace
- andante
- moderato 
Quiet seas
Le roi soleil 

アンコール1
Signore io sono irish
Una miniera 
Concerto grosso n°2 - vivace 

アンコール2
Musica

(Pensiero! blog 2006.04.10)








Musica

Pensiero! -- la Stanza di MOA

(C)MOA
inserted by FC2 system