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さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。


*** canta(u)tore ***
Herberto Pagani / Hunka Munka

*** gruppo ***
Homo Sapiens / Horus / H2O





HERBERTO PAGANI / HERBERTO PAGANI (2003)
イタリアでPagani(パガーニ)といえば、まずはMauro Pagani(マウロ・パガーニ)が思い浮かんでしまいますが、Herberto(ヘルベルト)さんもMauroさんとなにか関係があるのでしょうか? 年齢的にはMauroよりも上な感じがしますが。
何者だかよくわからないHerberto Pganiですが、Hunka Munka(フンカ・ムンカ)の唯一のアルバム『Dedicato a Giovanna G.』に収録されている曲のクレジットにH.Paganiという記載があります。同一人物でしょうか?
このアルバムの内容は、Jaques Brel(ジャック・ブレル)Serge Gainsburg(セルジュ・ゲンスブール)などの曲(シャンソン)にイタリア語歌詞をつけたものになっています。さらには「ドナ・ドナ」まで収録されています。このCDのリリースは2003年ですが、収録されてるのはどれも1965年と1966年の録音のようです。
演奏自体はアコースティック・ギターやピアノ、チェンバロなどの伴奏にヴァイオリン、フルートといった楽器が入り、優しく落ち着いたヴォーカルが乗るといった、これといって特徴のないものです。イタリア語でシャンソンを歌いました以上でも以下でもない感じです。
穏やかな歌声は好感が持てます。聴いていて疲れないアルバムではあります。 (CAROSELLO/WARNER MUSIC ITALIA: CARSM 086-2 / イタリア盤CD) (2004.05.09)



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HUNKA MUNKA / DEDICATO A GIOVANNA G. (1972)   alla "Musica"
 曲づくりやアレンジなどで深くIvan Graziani(イヴァン・グラツィアーニ)がかかわっていることもあり、アルバム自体はかなりIvanぽいと思います。M2「Route e sogni」やM4「Cattedrali di bambu」など、アルバムの約半分はプログレッシヴ・テイストを持ったものになっていて、残り半分はポップなロックン・ロールという構成です。どちらかというとプログレッシヴ・ロックのファンによく知られているアルバムですが、基本はプログレ色の強いポップスだと思います。自分にとってはかなり愛すべきアルバムですが、イタリアやプログレの初心者向きではありませんね、おそらく。 (CRIME/KING RECORD: K28P 718 / 日本盤LP) (2004.05.09)



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Homo Sapiens / il Meglio (1995)   alla "Musica"
 オモ・サピエンス(HOMO SAPIENS)は、いわゆるラヴロック・グループと日本で呼ばれるもののひとつ。ソフトで甘い感じの、美しい曲をやってます。さわやかでポップな感覚は、他の同種のグループとはちょっと違うかも。(1998.04.29)

HOMO SAPIENS / HOMO SAPIENS (2000)
 Homo Sapiens(オモ・サピエンス)は1970年代から80年代にかけて主に活動していたポップス・グループ。タイプとしては、同時期に活動していたCollage(コッラージェ)や、いまも活動を続けているPooh(プー)などと似た、美しくやわらかな音楽を奏でるグループです。曲づくりには、カンタウトーレとしても名の知られているRoberto Vecchioni(ロベルト・ヴェッキオーニ)Renato Pareti(レナート・パレティ)が大きくかかわっています。グループの持つ優しい感じは、Renato Paretiによるところが大きいのでしょう。
 このCDは1974年から79年の録音を集めたベスト盤です。新録などではなく、オリジナル音源を収録してあるようです。
 美しく優しい音楽を演奏するHomo Sapiensですが、同傾向の他のグループにくらべると、甘さや哀愁味は少なめです。甘さや哀愁というよりは、どちらかというと爽やかさ、明るい暖かさを感じさせる点が、他の同タイプのグループとの違いといえるでしょう。また、オーケストレーションがストリングス・オーケストラではなくキーボードであることも、濃厚な甘さを感じさせない理由のひとつといえそうです。
 これらの点で、同時代の同種のグループにくらべるとインパクトの弱さや密度の薄さを感じてしまいますが、イタリアらしいメロディにあふれた愛すべきグループだと思います。(2001.03.18)



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HORUS / STELLE DI BATTAGLIA (1993)
Horus(オールス)ってたぶん、Tito Schipa Jr.(ティト・スキーパ・ジュニア)のアルバム『Concerto per un primo amore』で演奏を担当してたグループだと思います。もともとスタジオ・ミュージシャンの集まりなのかな?
このCDは6曲収録のミニ・アルバムもどきですが、もともとシングルとして1979年にリリースされたM1「Respiro」とM4「Stelle di battaglia」の2曲に、未発表の4曲を追加して無理やりCDにしたようなもの。どちらも1978年の録音ですが、未発表曲のほうは録音がほとんどデモ・テープ・レベルで、シングル曲2曲との録音クオリティの差がありすぎです。ただ、それを除けば、なかなかに興味深いんですよ。
非常にテクニカルかつ明るくさわやかな演奏ができるグループで、M1やM6のインスト部分では、自分はフランスのAtoll(アトール)を思い出しちゃいました。軽やかなリズム、清涼感のあるキーボード。明るくやわらかな陽射しや、あたたかい風を感じるような、なんだか楽しげで幸せな演奏です。だけど、ヴォーカルが入ると一転して、いかにもイタリアらしい哀愁が一気に爆発。この落差がドラマティック。さらに、けっこうヘヴィなドライヴ感を持ったプログレッシヴ・ロックも演奏できる。未発表曲は録音の悪さも手伝って、塊となった音がいっそうヘヴィな感じを強調してるように聞こえます。
曲自体のクオリティはどれも高く、演奏もうまい。収録曲のバランスや配置をきちんと考えたアルバムをリリースしていたら、イタリアン・テクニカル・シンフォニック・ロックの名盤になってたかもしれないよなぁ、残念だよなぁと感じさせてくれるグループです。 (MELLOW RECORDS: MMP148 / イタリア盤CD) (2004.12.25)



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H2O / UNOPUNTOSEI (1997)
 H2Oというグループ名どおり、水のようにクリアで透き通った演奏を聴かせてくれます。それぞれの楽器間の比重や、演奏とヴォーカルのバランスもよく、グラスに満たした水の表面張力のような適度の緊張感もあり、なかなか聴かせるアルバムといえるでしょう。ときどき、古のプログレ・バンドを思い起こさせるところもありますが、タイプとしては新しい世代(といっても、もう10年も前になるかな)のプログレだと思います。なんとなくmade in japanレーベルのジャパニーズ・プログレをたくさん聴いていたころを思い出してしまいました(もちろん、H2Oがmij系というわけではありません)。
 メンバーはベース、ギター&ヴォーカル、キーボード&ヴォーカルの3人組で、ドラムはゲスト・ミュージシャンが叩いています。この編成のためか、リズム面でのロック的な力強さはあまり感じません。また、ヴォーカルもどちらかといえば弱く、ちょっと残念です。できれば歌唱力のある選任ヴォーカリストをおいてほしいところです。
 とはいえ、全体としてはハイクオリティのアンサンブルを聴かせるテクニカル・シンフォニックになっていて、プログレ・ファンなら楽しめるでしょう。(1999.12.05)



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