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さらっと聴いたときのアルバムの印象を簡単に紹介します。


*** canta(u)tore ***
Leandro Barsotti / Leano Morelli / Lorenzo Ballarin / Lorenzo Piani / Luca Barbarossa / Luca Bonaffini / Luca Carboni / Luca Dirisio / Luca Madonia / Luca Sepe / Luciano Basso / Luciano Pavarotti / Luciano Rossi / Lucio Battisti / Lucio Dalla / Luigi Amato / Luigi Grechi / Luigi Proietti

*** canta(u)trice ***
Laura Bono / Laura Pausini / Leda Battisti / Lisa / Loredana Berte'

*** gruppo ***
La Crus / I Leoni / Litfiba / Locanda delle Fate / Lunapop





LAURA BONO / LAURA BONO (2006)   alla "Musica"
2005年のサンレモ音楽祭新人部門優勝者、Laura Bono(ラウラ・ボーノ)のデビュー・アルバムです。ひび割れ声で力強くロックを歌うタイプのカンタウトリーチェ(女性シンガー・ソングライター)で、タイプとしてはLoredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)Gianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)、最近でいえばDolcenera(ドルチェネラ)などと同系統といえるでしょう。ひび割れた歌声を生かしたミディアム・テンポのロック系チューンが多く収録されていますが、どれもメロディアスで、ロック・ヴォーカルの好きな自分には好ましく感じられます。なんとなくですが、1980年代くらいの英米の女性ロック・シンガーを思い出します。 (EUROTEAM / EMI MUSIC ITALY: 0946 3600812 7 / EU盤CD) (2007.05.27)



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LAURA PAUSINI / LAURA PAUSINI (1993)
 日本でも人気のあるカンタトリーチェ(女性シンガー)、Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)のデヴュー・アルバムです。最近では中堅どころとして徐々に貫禄の出てきたLauraですが、19歳のときにリリースされたこのアルバムは、まだ素直な初々しさにあふれています。ムジカ・イタリアーナの良質な部分を存分に残した、おおらかでなだらかな美しさを持ったメロディが素直に響きます。
 技巧としてはけっしてうまいとは思いませんが、クリアで伸びのある歌声は、デヴューしたての若いシンガーの今後に期待を抱かせるのに充分なポテンシャルを感じさせます。あまり曲に表情をつけないストレートな歌い方をしていますが、妙な色気がないところが、かえって好感が持てます。
 非常に正統的なイタリアン・ポップスなので、安心感はありますが、一方であまり面白みがないともいえます。でも、この作品は、まだデヴュー作です。今後、シンガーとして成熟し、Lauraらしさを上手に表現できるようになれば、息の長い実力派シンガーになるだろうことを予感させます(実際は、明確なLauraらしさの確立に至るまでにずいぶん足踏みをしてしまったようですが)。
 このアルバムを含め、Lauraのアルバムはほとんど(全部?)が日本盤CDでもリリースされています。その点も含めて、イタリアン入門編にもおすすめできます。(2001.06.17)

LAURA PAUSINI / LAURA PAUSINI (1995)   alla "Musica"
 日本でもファンの多いイタリアの歌姫、ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)のベスト盤。インターナショナル向けのデヴュー・アルバムでもあるようです。イタリアらしさを持ちつつも、いまふうのスッキリした感じが魅力。(1998.05.31)

LAURA PAUSINI / LE COSE CHE VIVI (1996)
 なぜかすべてのアルバムが日本でもリリースされているLaura Pausini(ラウラ・パウジーニ)のサード・アルバム(なのかな?)。最近ではいくぶん、歌い方に貫禄もついてきましたが、このころはまだ若々しい歌声が聴けます。
 Lauraの魅力はたぶん、楽曲自体の持つ素直さと、そうした曲にぴったりとマッチする素直なヴォーカルにあるのだと思います。いつ聴いてもすがすがしく、やわらかなポップスは、聴いていて疲れません。また楽曲のクオリティも高く、歌もうまいので、とくに飽きるということもありません。そのあたりが本国イタリアはもとより、日本でも人気がある理由なのかもしれません。
 ただ、そのあまりにも素直な感じが、自分には少し物足りなくもあります。たとえば、サビに移ったところでもっと感情の高ぶりが感じられるような歌い方ができればとか、曲によってはもっとイタズラっぽくなってもいいのにとか、思ってしまうのです。あまりにもすべての曲、すべての歌い方が品のいいお嬢さんぽくて、変化が足りないなぁと感じるわけです。とはいえ、それは若い女性の特権ともいえるし、Lauraならではの魅力ともいえるのでしょう。
 また、M11「La voce」などでは少し力強いブルージーな曲に挑戦したりもしています。でも、やっぱりこういう曲を歌うにはヴォーカル・スタイルに幅と奥行きが足りません。そういった点はありますが、総じていえば、このころのLauraのよさが出たよいアルバムだと思います。(2002.10.19)

LAURA PAUSINI / LA MIA RISPOSTA (1998)
 日本盤もコンスタントにリリースされ、日本にもファンがたくさんいるLaura Pausini(ラウラ・パウジーニ)。清楚なお嬢さんという感じで、歌も素直で悪くはないのですが、あまりにも最大公約数的な感じがして、個人的にはあまり興味がありません。曲も歌も、Lauraらしさというか、Lauraならでは、Lauraだからこそといった面が、弱いように感じます。
 それでも、おおらかで流れるようなメロディはイタリアの美しさにあふれていて魅力的ではあったのですが、このアルバムでは、そういったイタリアらしさが後退し、アメリカのポピュラー・ヴォーカル的な曲づくり、音づくり、アレンジになっています。そのために一層、Lauraのアイデンティティといったものが見えづらくなってしまったように感じます。
 たとえば、いくぶんジャズ風のアレンジはRossana Casale(ロッサーナ・カザーレ)を思わせたりもしますが、であればRossanaのアルバムを聴けばいいわけで、Lauraの歌である必要が感じられません。この「Lauraである必要性」の希薄さがLauraの最大の弱点であり、ある意味ではそれが最大の武器なのかもしれませんが、アルバムを4枚もリリースしているヴォーカリスト/アーティストとして、それでいいのだろうかと思ってしまいます。せっかく自分で歌詞を書いているのだから、「これがLauraだ!」という主張、強い個性を表現してほしいのです。
 楽曲にこれといった引っ掛かりなどがないので、心地よいBGMとしては最適かもしれません。ただLauraには、シンガーとしての素質があると思います。それなのに、いつまでもBGM的に聴かれるシンガーのままでいいのでしょうか。(2000.06.17)

LAURA PAUSINI / FROM THE INSIDE (2003)
Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)初の全曲英語歌詞によるアルバム。相変わらずの素直な歌声とメロディが楽しめますが、イタリアの香りはすっかり影をひそめてしまったように感じます。素直できれいなメロディが中心という点はデビュー当時とほとんど同じで、その点では、歌詞はイタリア語ながらもインターナショナルな貫禄(?)を感じるここ最近のアルバムよりも、初期のころの作風・方向性に近いような気もするんですが、その「素直できれい」が、イタリアのそれではなく英米のそれに聞こえてしまうのは、歌詞が英語だからというだけが理由ではないように思います。メロディもそうですが、スッキリとしていて「ドタバタしない」演奏が、そう感じさせているのかもしれません。
Lauraはこのアルバムでインターナショナルな(というよりはアメリカでの)成功をめざしたんでしょうが、どうなんでしょうね。自分の印象としては、いまの英米のマーケットに問うには、いかにもオールドスタイルというか、古臭い作風のように感じてしまうのですが。M5「It's Not Good-Bye」などにイタリアらしい情感はあったりもするんですが、全体としては1980年代の英米ポップスといった感じを受けてしまいます。Sheena Easton(シーナ・イーストン)とかを思い出してしまいました。
世の中的にはちょっとリバイバルブームというか、80年代の音楽が見直されているような部分はあって、古い曲がカバーされたりリバイバルヒットがあったりはするのだけど、カバーはオリジナルのよさを損なわずに現代風のテイストが加味されているのがよいのだし、リバイバルはオリジナルそのもののよさが評価されているのだと思います。しかしLauraのこのアルバムは、カバーでもリバイバルでもなく、なんとなく80年代ポップスのレプリカ的な印象を受けてしまって、いまさらなんだかなぁという感じ。いまの時代のイタリアン・ポップスのファンにも、英米を中心としたインターナショナル・ポップスのファンにも、これでアピールできるんでしょうか? (CGD EAST WEST/WARNER MUSIC JAPAN: WPCR-11665 / 日本盤CD) (2003.10.19)

LAURA PAUSINI / LIVE IN PARIS 05 (2006)   alla "Musica"
あいかわらずです。デビューから10年以上経ち、またライヴ盤であることもあってか、だいぶ力強いヴォーカルを聴かせるようになりましたが、これといって強い個性のない優等生的な歌い方は変わりません。ヴォーカル自体は、伸びやかで、なめらかで、よく声が出ているとは思うけれど、表現力があるか、情感を乗せるのがうまいか、というと、そうでもないと自分は思っています。彼女の魅力の多くの部分は「楽曲のよさ」に依存しているのではないでしょうか。平凡な曲をヴォーカルのうまさでカバーし魅力的に聴かせるだけの力はあまりないと思います。 (GENTEMUSIC / WARNER MUSIC ITALIA: 5051011195822 / EU盤CD) (2007.12.16)



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LEDA BATTISTI / TU, L'AMORE E IL SESSO (2006)   alla "Musica"
非常にオーソドックスな女性ヴォーカルものだと思います。ゆったりとした大きなメロディを中心にした、バラード・ポップスといった感じの曲が大半を占めています。オーソドックスなメロディや構成に、オーソドックスな歌い方。これといった特徴はないのだけど、普通に美しい音楽で、普通に心地よく聴いていられます。Lisa(リーサ)の声は、きれいに澄んでいるように聴こえて、実は少しだけ濁りがあります。これが中音域で歌うときにはやわらかな味わいとなって魅力的に感じられます。全体に破綻のない、おだやかで心地よいイタリアン・ポップス作品になっているといえるでしょう。オーソドックスな女性ヴォーカルものが好きな方などには楽しめるアルバムだと思います。 (L'INFINITO / BMG RICORDI: 74321671332 / イタリア盤CD) (2005.10.10)



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LISA / ESSENZIALE (1999)   alla "Musica"
非常にオーソドックスな女性ヴォーカルものだと思います。ゆったりとした大きなメロディを中心にした、バラード・ポップスといった感じの曲が大半を占めています。オーソドックスなメロディや構成に、オーソドックスな歌い方。これといった特徴はないのだけど、普通に美しい音楽で、普通に心地よく聴いていられます。Lisa(リーサ)の声は、きれいに澄んでいるように聴こえて、実は少しだけ濁りがあります。これが中音域で歌うときにはやわらかな味わいとなって魅力的に感じられます。全体に破綻のない、おだやかで心地よいイタリアン・ポップス作品になっているといえるでしょう。オーソドックスな女性ヴォーカルものが好きな方などには楽しめるアルバムだと思います。 (L'INFINITO / BMG RICORDI: 74321671332 / イタリア盤CD) (2005.10.10)



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LOREDANA BERTE' / NORMALE O SUPER (1976)   alla "Musica"
 アルバム全体としてはロック風の力強いヴォーカル曲が多くありますが、曲調的にはイタリアンだったりアメリカンだったりと、ちょっと統一感がないかもしれません。しかし、Loredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)の個性あふれるヴォーカルがどの曲でも堪能でき、それがアルバムに求心力を与えています。また、Vince Tempera(ヴィンチェ・テンペラ)アレンジ、Mario Lavezzi(マリオ・ラヴェッツィ)プロデュースのためか、ところどころで感じられるIl volo(イル・ヴォーロ)風味が楽しいアルバムでもあります。名盤とか傑作ということはないでしょうが、なかなかできのよい、いいアルバムだと思います。(2002.08.31)

LOREDANA BERTE' / LOREDANA BERTE' (1988)
Loredana姉さん、あいかわらずめっちゃいい声です。自分はこういうひび割れた声のヴォーカルって好きなんですよ、女性も男性も。むかしのイタリアにはひび割れ声シンガーがたくさんいたのに、最近は少ないですね。
声はあいかわらず素敵なのだけど、やはりデビューのころにくらべると迫力は落ちているかな。以前よりちょっと細くなっちゃった気がします。もともとのパワーが大きいので、多少細くなったところで充分に力強いのではありますけど。
アルバム全体に楽器の音がカラフルで派手なのは、1980年代終盤だからでしょうか。すっきりクリアなんだけど、ロック・フィーリングはけっこうあるポップ・ロックで、あのころに全盛を極めていた(そろそろ終わりかけだったっけ?)アメリカン産業ロックと印象が似ている気がします。これで、もっとふつうの声で、歌詞が英語だったら、アメリカもしくはイギリスの女性ロッカーといわれても信じたかも。
でも、歌詞はイタリア語、歌ってるのはイタリアのロック姉さん、Loredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)です。たとえシンセサイザーの音が産業ロックくさくても、エレキ・ギターの音がいかにもヘヴィ・メタル・ムーヴメントを通り過ぎてポップスの世界にきました的な音色とフレージングだったとしても、明るく元気にはじけた曲調があったとしても、やっぱり姉さんは姉さん。その個性的な歌声がすべてを「Loredanaの曲」にしちゃいます。
欲をいえば、もう少しスケールの大きな曲があればよかった、力強くかつじっくりと歌いこむような曲があればよかった、といった部分もあるし、自分の好み的にいえば、もっとイタリアンな感じが強ければ、ということもあるのだけど、それはそれとして、女性ロック・シンガーのアルバムとしては充分に魅力的なアルバムだと思います。 (RCA ITALIANA / BMG RICORDI: 74321913232 / イタリア盤CD) (2004.12.25)

LOREDANA BERTE' / MASTERPIECE (2000)
 イタリアWARNER FONITレーベルによる廉価のベスト盤シリーズ『Masterpiece』の1枚。このアルバムには主に1970年代なかばから80年代にかけての曲が収録されています。
 Loredana Berte'(ロレダーナ・ベルテ)のCDを聴くのははじめてなのですが、楽曲クレジットを見るとIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)、Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)の名前があり、意外といい曲を提供されているなと感じます。彼ら以外による曲もキュートな響きがあり、Loredanaのヴォーカルに合っていると思います。ちなみにLoredanaは、Mia Martini(ミア・マルティーニ)の妹だそうです。
 力強い歌とひび割れた声は、Gianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)を少し小ぶりにした感じでしょうか。ちょっと甘えたような響きがあるところと、いくぶん品のよくない感じがあるところが、Giannaよりも大衆的な印象を与えそうです。この世俗っぽさは、Loredanaの魅力のひとつでしょうし、重要な個性とも感じます。
 ロック・バラード系の曲を中心に、リズミックなものや明るい感じのするもの、可愛らしいものなど、曲調に幅があり、聴いていて飽きません。また、曲調はいろいろあるものの、それぞれの曲が大きな美しいメロディを持っています。そして、Loredanaのヴォーカルには、それらのどの曲もがLoredanaの歌として表現できるだけのちからと個性があります。
 自分で曲を書かないシンガーには、どんな曲を歌っても、それを「自分の曲」として表現できるだけの個性や歌唱力がヴォーカルに必要です。その点でLoredanaは、充分に合格といえるでしょう。(2001.09.16)



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LEANDRO BARSOTTI / BELLAVITA (1996)
 優しく素直なメロディを持った、明るく軽やかでポップなアルバム。なんとなく歌謡曲を思わせるくらい、聴きやすくなじみやすい、親しみやすい音楽です。
 少し細い感じの声にも癖がなく、暖かみがあります。バラード系の美しさはやはりイタリア的だと思いますが、しつこさはありません。「Bellavita」(美しい生活、素晴らしい人生……とでも訳すのでしょうか)というタイトルそのままの感じがするアルバムです。(1999.05.08)



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LEANO MORELLI / IL MEGLIO (1995)   alla "Musica"
 アコースティック・ギターを中心に、おだやかなオーケストレーションがやわらかい空間をつくりだします。そのなかに言葉が湧き上がり、風に運ばれていくような、カンタウトーレならではのリリカルさとロマンティックさがあります。メロディにしろ、声にしろ、これといった強い決め手には欠けるのですが、どちらもカンタウトーレ・イタリアーノのよい部分をほどほどに持っていて、充分に楽しめます。派手な内容ではないので、イタリア初心者には楽しみにくいところも多そうですが、1970年代以降の多くのイタリアのポップ・ミュージックを愛してきた人には、心に触れるところが多々あることでしょう。(2001.05.20)

LEANO MORELLI / CANTA I SUCCESSI DEI I NOMADI & GUCCINI (1997)
 70年代から活動するカンタウトーレ、レアーノ・モレッリ(Leano Morelli)が、ノマーディ(i Nomadi)フランチェスコ・グッチーニ(Francesco Guccini)の曲を唄ったアルバム。彼自身の曲は入っていません。ところどころで、なぜか西部劇のサントラを思い出してしまうのは、曲のせいなのか、彼のだみ声のせいなのかは不明。地味な感じのアルバムです。(1998.08.02)



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LA CRUS / OGNI COSA CHE VEDO (2003)   alla "Musica"
彼らの魅力は、自分にとっては間違いなく、そのヴォーカルです。David Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)のような、低く抑えた声で粘っこくセクシーに歌うスタイル。強くヨーロッパを感じます。デジタルなリズムの上にシンセサイザーによる硬い音色のオーケストレーションが冷たく、かつ美しく広がり、危険な美しさを振りまくかのようなヴォーカルがヨーロッパのどんよりとした退廃美を演出する、といった感じでしょうか。かといって妙に重かったり暗かったり耽美だったりということはなく、ほどよくポップです。 (WARNER MUSIC ITALY: 5050466332226 / ドイツ盤CD) (2007.07.29)



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I LEONI / LA FORESTA (1971)
ひさしぶりに聴いたなぁ、このアルバム。どんな内容だったか、すっかり忘れていたのですが、うん、なんだか懐かしい気分になる作品です。収録されている曲のタイプはばらんばらんなんだけどね。
M1「L'alba」に出てくるメロディって、別のアルバムでも聴いたことがある気がする。確認していないのだけど、Samadhi(サマディ)「L'ultima spiaggia」Alessandro Errico(アレッサンドロ・エッリコ)のファースト・アルバムに出てくるメロディって、これじゃなかったっけ?
アルバム全部で35分弱というコンパクトさがいい。35分弱しかないのに、いかにもイタリアのコーラス系ポップ・ロック・グループといったメロディアスな曲のほかに、どことなく呪術的でおそろしげな雰囲気をうっすらとまとったプログレッシヴ風味な曲もあり、そうかと思えばZombies(ゾンビーズ)とか初期のEarth & Fire(アース&ファイア)などを思い出させるようなサイケデリック風味の曲もあって、アルバムとしてはまとまりがないね。
でも、このまとまりのなさが、かえって飽きさせない要素になっているといえるかもしれないし、こういった「なんでもあり感」が1970年代初頭のロックのおもしろさのひとつともいえる。 (BMG RICORDI: 82876544062 / EU盤CD) (2006.06.18)


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悲しみのフレーズを奏でるピアノのイントロに導かれ、そのフレーズをなぞるヴォーカルが情感を高めるといった、いかにもあの時代のイタリアらしい哀愁を聴かせてくれる曲で始まります。「L'alba(夜明け)」というタイトルがぴったりな感じです。
M2「Il rinoceronte」では女性のスキャットややわらかな響きのオルガンも入り、おだやかで美しいメロディが楽しめます。
ただ、M3「Jena ridens」やM4「Lo stregone」などではいくぶんハードで、どこか恐ろしげだったりプリミティブさを見せてみたりと、ただのポップス系グループとは違った、プログレッシヴな面を見せてくれます。
また、M6「Le scimmie」ではアコースティック・ギターの切れのいいカッティングをバックにしたインストゥルメンタルのロック・チューンを聴かせてもくれます。
しかし、これらの曲よりも、なめらかなヴォーカル・ラインの美しさをきちんと聴かせてくれるM1、M2、M5「L'incendio」、M7「La rugiada」といった曲のほうが、曲自体のクオリティという点でも、魅力的に感じます。M5などはオルガンの少しひなびた響きがたまりません。
アルバム全体としては、メロディアスな曲とプログレッシヴな雰囲気を持った曲、それに普通のロックが、それぞれ同じくらいの比重で収録されていて、なんかばらんばらんな印象でした。あの時代の音、といってしまえばそれまでなのかもしれませんが。 (BMG RICORDI: 82876544062 / イタリア盤CD) (2004.03.13)



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LITFIBA / EL DIABLO (1990)
 6thアルバムのようです。彼らって、1980年代のイギリスのニューウェーヴ系のグループに影響を受けているのではないかと思います。今聴くとチープで古臭いキーボードも、なんとなく懐かしいです。
 ヨーロッパ的な憂いを持った彼らのロックは、あまりイタリア的ではないけれど、たとえば後期のthe Strangles(ストラングラーズ)Marc and the Mambas(マーク・アンド・ザ・マンバス)などの持っていたロマンティシズムに通じるところも、あるかもしれません。ただ、彼らのような育ちのよさというか、品のよさが、Litfibaにはないんだよな。(1999.10.11)

LITFIBA / URLO (1994)
 再録やリミックスを多く集めたベスト盤のようです。ポップスというよりは完全にロックで、それもイギリスのニューウェーブ系のグループに近いタイプなのではないかと思います。音に厚みや重さはあるのだけど、空間的な隙間を感じさせるあたりに、そういった印象を抱かせられるのでしょう。ゴシック・ニューウェーブ系のロックが好きな人にもアピールしそうな気がします。(1999.08.15)



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LOCANDA DELLE FATE / HOMO HOMINI LUPUS (1999)   alla "Musica"
 70年代にアルバム1枚をリリースして消えてしまったプログレ・グループの再結成アルバムですが、ポップな作風は、もはやプログレとはいいがたいです。かといって、いわゆるポップスかというと、やはりプログレッシヴ・フィールドの作品に近いように思います。そういった点で、リスナー層の位置づけが非常にむずかしいといえるでしょう。
 そういったジャンル的な曖昧さはありますが、内容自体はクリアでしっかりした演奏にヨーロッパらしいメロディが乗り、地味な印象ながらもクオリティは高いです。(1999.12.05)



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LORENZO BALLARIN / MI SONO INNAMORATO (2002)
 Lorenzo Ballarin(ロレンツォ・バッラリン)はまだ若いカンタウトーレのようです。夕暮れ時の海辺の写真にセミアコースティック・ギターを弾いている姿がコラージュされているジャケットは、なんとなくロマンティックな趣がありますが、収録されている曲も、ほどよくロマンティックです。
 印象としては、イタリアというよりはラテン・フレーバーの入ったアメリカのポップ・ロックに近いように思います。たぶんジャケットで弾いているセミアコースティック・ギターを使って演奏しているのでしょうが、丸く、あたたかく、少し枯れ気味のギターの音には、純然たるヨーロッパとは違ったなめらかさを感じます。
 曲によってはヴァイオリンやホーン、アコーディオンなども入りますが、それらも、たとえば南欧や地中海的な味わいを加えるというよりは、アメリカのアダルト・コンテンポラリーやラテン・ポップス的な色を強めるのに役立っています。あたたかくやわらかな美しいポップスが収録されたアルバムです。
 ただ、歌声にこれといった個性がないのと、曲も水準はクリアしているけれど突出して印象的なものがないために、聴き終わったあとにあまり記憶に残りません。BGMとして流すには邪魔にならなくてよいけれど、もう少し主張というか個性を感じさせてほしいところです。
 そのあたりも含めて、カンタウトーレやイタリアン・ポップスのファンよりはラテンのムード・ポップスのファンのほうが、より楽しめるアルバムかもしれません。(2002.10.19)



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LORENZO PIANI / VIVO (feelings) (1998)
 なんとなくジャケットや名前、曲のタイトルなどから“よさそうな感じ”を受けて入手したアルバム。ちなみにアルバムのタイトル曲「Vivo」は、日本でも昔にヒットした「フィーリング」のイタリア語ヴァージョンです。そのほかにもLucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)の曲が1曲と、Ivan Graziani(イヴァン・グラツィアーニ)の曲も1曲、収録されていますが、それ以外の曲はLorenzo Piani(ロレンツォ・ピアーニ)自身の作詞・作曲です。
 Eros Ramazzotti(エロス・ラマゾッティ)を思いっきり薄くしたような声は、あまり特徴がありません。また、歌唱力もあるとはいいにくいです。でも、そういったクセやアクの強さがない分、かえって聴きやすいともいえます。
 Lorenzoはヴォーカル以外に、鍵盤楽器も担当しています。そのためか、曲調的にはいかにも鍵盤奏者がつくったといった感じの、なめらかで柔らかいメロディが多くあります。その点で、それなりに美しいイタリアン・ポップスとはいえるでしょう。地味だけど、おだやかな気持ちで聴けるアルバムです。
 ただ、ヴォーカリストとしての力量不足が、せっかくの曲の魅力を殺してしまっているとはいえます。へたはへたなりに味を出すこともありますが、Lorenzoの場合、味になるほどの個性がないため、ただのへたな素人シンガーのように聞こえてしまうのがつらいところです。カバーされているIvan Grazianiの「Lugano Addio」は好きな曲なのですが、クセの強いIvanのヴォーカルに遠く及ばないのはしかたないにしても、Lorenzoなりの魅力といったものを表現することができなかったのも残念です。
 きわめて標準的なシンガーだといえる分、安心感はありますが、面白みにはかけるでしょう。(2000.06.17)



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LUCA BARBAROSSA / same (1988)
 Luca Barbarossa(ルーカ・バルバロッサ)は軽やかでリラックスした感じの曲想が持ち味のようです。イタリアらしい、哀愁に満ちた曲もなくはないのですが、彼の本筋ではないように感じます。このFonit Cetraレーベルから出ているCDは、多分ベスト盤だと思います。
 これといった特徴がないのが残念ですが、フォークタッチのやわらかい曲が多く、イタリアらしさはあまり感じられないけれど聴きやすいです。(1999.06.05)

Luca Barbarossa / Cuore D'Acciaio (1992)   alla "Musica"
 ルーカ・バルバロッサ(Luca Barbarossa)は、きわめて標準的なカンタウトーレなのではないでしょうか。とくに強い個性は感じませんが、これといって悪いところもないですし、それなりにイタリアらしい美しさを持っています。ただ、展開やアレンジに、もう少し強引さというか、爆発力があれば、いっそうドラマティックになったのではないかと思います。(1999.02.28)



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LUCA BONAFFINI / PRIMA DI OGGI ERA GIA' DOMANI (1997)
 Luca Bonaffini(ルーカ・ボナッフィニ)は自分でも曲を書くようですが、このアルバムでは他のカンタウトーレたちの曲のカヴァーを収録しています。自分が知っている曲はClaudio Baglioni(クラウディオ・バッリォーニ)の「E Tu」とAntonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)の「Roma Capoccia」くらいですが、ほかにもRiccardo Cocciante(リッカルド・コッチャンテ)、Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)、Fabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ)らの曲も収録されています。
 どの曲もやわらかい音色のアコースティック・ギターをメインにしたアレンジがされていて、そこに暖かみのある彼の声が乗っかり、全体として古いアメリカのフォーク・ミュージックのような優しさにあふれています。最初の2曲こそラテン・ポップ風だったり、夜の荒野が似合うようなウェスタン風だったりもしますが、それ以降はアメリカのJ.D.Souther(ジェイ・ディ・サウザー)にも通じるような、素朴な優しさに包まれた音楽です。たとえば、アメリカ南部の田舎町で、日暮れにポーチで揺り椅子に揺られながら、ラジオから流れてくる懐かしい音楽の中に身を任せているような、そんな情景が浮かびます。
 余分な修飾を排した、非常にシンプルなアレンジのため、もともとの歌メロの持つ美しさが強く感じられ、優しい気持ちになれるアルバムです。(1999.12.05)

LUCA BONAFFINI / TRENI (2002)   alla "Musica"
 J.D.Souther(ジェイ・ディ・サウザー)にも通じるような、やさしく暖かい声とささやかな幸福を感じさせるフォーク・ソングは健在です。フォーク・タッチの曲を中心に、1980年代のアメリカン・ポップスを思わせるようなものもところどころに配され、アルバムが一本調子になるのを防いでいます。ただ、曲そのもののできはやはり、フォーク・タッチのもののほうがよいように思います。ほんのりと幸せな雰囲気のある、聴いていて気分のよいアルバムです。これといって強い個性があるわけではありませんが、やさしい歌声は魅力的です。(2003.03.02)



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Luca Carboni / Forever (1985)
 一部で非常に評価が高いようですが、はじめて聴きました。非常にカンタウトーレらしいアルバムでした。ヴォーカルで聴かせるタイプですかね。地味だけど、聴き続けるとよさが出る感じです。(1998.05.31)

LUCA CARBONI / LUCA CARBONI (1987)
地味なんだけど長いこと活動歴があって、固定ファンをしっかりつかんでいるカンタウトーレ。落ち着いた、少し沈んだようなヴォーカルが心地いいです。歌声に個性というか、シンガーとしての主張のようなものが感じられるのはいいですね。
ただ、このアルバムでは、その沈んだ感じのヴォーカルと、バックの演奏の持つ雰囲気が、なんとなくミスマッチな気がします。歌声にはある種の重みがあるのに、演奏はやけに軽い感じがします。軽いといっても、アメリカン・ポップスのような乾いた軽さというわけではありません。ヨーロッパらしい、メロディアスで美しく、ほんのり湿ったところはあるんですが、なんか厚みや旨みが足りない……そんな感じなんです。せっかくのLuca Carboni(ルーカ・カルボーニ)の歌が持つ味わいが、演奏全体のなかで「浮いた」印象を持ってしまうのですが、いかがでしょうか。
声も、ヴォーカル・スタイルも、曲のスタイルも、地味ながらも存在感があるタイプのカンタウトーレだと思うのですが、だからこそ余計に、演奏にも存在感のある地味さを期待したいです。やわらかなバラードを中心に、そこはかとなくジャズ風身をまとったスローポップスなども収録された、なかなか愛らしい好盤だけに、演奏面での詰めの甘さ(?)が残念です。 (RCA ITALIANA/BMG RICORDI: 74321 788452 / イタリア盤CD) (2004.05.09)

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 ほのかにジャズ風味のある曲の感じは、Fabio Concato(ファビオ・コンカート)Nino Buonocore(ニーノ・ブオノコーレ)などにも通じるところがありそうです。
 フォーク的、あるいはカンツォーネ的といったところや泥臭いところはなく、やわらかなおしゃれ感が全体を包み込んでいます。緩急をつけたドラマティックな展開や心をわしづかみにするようなメロディといったものもなく、おだやかで淡々とした、それでいて優しさと暖かみのあるヴォーカルが聴けます。演奏も、野暮ったいところがなくスッキリしています。曲から受ける印象に薄っぺらさや売れ線ねらいのわざとらしさがなく、イタリアらしい丸みと暖かさが存分に感じられます。イタリア的であるかどうかを抜きにしても、クオリティの高いポップ・ミュージックであると思います。
 ブラスやストリングスのアレンジは全体に洗練されていますが、ギターはコンプレッサーの聴きすぎたクリーントーンを使っていたりと、いかにもむかしのフュージョン風で、いま聴くとちょっとカッコ悪いかもしれません。とはいえ、明るく軽やかで、適度にロマンティックでおしゃれな音楽は、いまでも充分に楽しめるでしょう。(2001.08.19)



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LUCA DIRISIO / LUCA DIRISIO (2004)   alla "Musica"
とくに悪いところはないのだけど、これといった個性や特徴といったものが感じられないのが残念です。レゲエ風のリズムを取り入れたり、アコースティック・ギターの綺麗な音色を響かせてみたり、それなりに工夫はあるのだけど、強くひきつけるものがないのですよ。なんだか薄味。端々で聞かれる、フレーズの最後で少し力を抜いたように声を震わせるスケベっぽい歌い方は、すごく軟弱になったFrancesco Renga(フランチェスコ・レンガ)を思わせて、ちょっとおもしろくはあるのだけどな。 (SUNRISE MUSIC PRODUCTION/BMG RICORDI: 82876662132 / EU盤CD) (2006.02.05)



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LUCA MADONIA / LA CONSUETUDINE (2002)
Luca Madoni(ルーカ・マドニア)のアルバムを聴くのははじめてで、というか、この人のことを自分は知らなかったのだけど、なかなかいい感じのカンタウトーレでよかったです。リリースがStorie di noteだから、いわゆるインディーズのアーティストですね、きっと。おそらくイタリア国内でもあまり知られていないんだろうな。
これといって強い個性があるわけではないのだけど、やわらかなメロディを持っていて、聴いていて心地いいです。ポップな曲調はあたたかみがありますし、M1「La consuetudine」などのような曲ではアメリカのフォークやイギリスのポップスにも通じるような優しいノスタルジーがあります。ヴォーカルもソフトな感じで、こういった曲にあっています。
M3「Meravigliandomi del mondo」ではCarmen Consoli(カルメン・コンソリ)とのデュエットが聴けますし、曲ごとのクレジットがないのでわからないのですが、別の曲ではFranco Battiato(フランコ・バッティアート)も参加してるようです。CarmenFrancoというシチリアンのビッグ・アーティストがふたりも参加しているところをみると、Lucaもシチリア出身なのかもしれません。
M4「Besame mucho」やM6「Prima di domani」はキーボードの使い方がFranco Battiatoぽいです。ここにFrancoが参加してるのかな。
M7「Commozione」は、2000年のサンレモ音楽祭に参加したAndrea Mazzacavallo(アンドレア・マッツァカヴァッロ)「Nord-Est」にちょっと似てる気がします。
ヒットとか人気とかには恵まれなさそうだけど、個人的になかなか楽しんで聴けるアルバムでした。こういうことがあるので、カンだけでCDを買ってみるのがやめられません。(STORIE DI NOTE/SUONIMUSIC: SDN 017 / イタリア盤CD) (2004.05.09)



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Luca Sepe / e il Vento Fara il Resto (1998)
 伸びやかな声を持つルーカ・セーペ(Luca Sepe)のデヴュー・アルバム。歌はうまいです。声もいいです。曲も自分で書きますが、オーソドックスなイタリアン・メロディを持っていて、それなりにいいです。ただ、個性が弱すぎるんです。曲も声もオーソドックスすぎて、自分にはちょっと、ものたりません。カンツォーネの流れを汲むイタリア歌謡の王道なのでしょうが、だからこそ、ヴォーカルに強い個性がほしかったですね。
 アーティスト・ディレクションの欄にファウスト・レアーリ(Fausto Leali)の名前があります。アルバムのオープニング曲は、Lealiも曲づくりに参加していますが、なかなかよい曲です。エンディングにはシカゴ(Chicago)のヒット曲「素直になれなくて(Hard To Say I'm Sorry)」のカバーが入っていますが、必然性を感じないし、第一、出来がいいとも思えません。収録しないほうがよかったんじゃないかな。(1999.02.28)



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Luciano Basso / Voci (1976)
 全編インスト。現代音楽のフィールドの人のようです。なんとなくクラシカル。(1998.04.29)



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LUCIANO PAVAROTTI & FRIENDS / TOGETHER FOR THE CHILDREN OF BOSNIA (1996)   alla "Musica"
 Pavarotti & Friendsは、Luciano Pavarotti(ルチアーノ・パヴァロッティ)がその人脈を生かし、クラシック以外のジャンルからも幅広くアーティストを招待して一緒にコンサートを行なうもので、この年のステージではZucchero(ズッケロ)Jovanotti(ジョヴァノッティ)Brian Eno(ブライアン・イーノ)Bono(ボーノ)Simon Le Bon(サイモン・ル・ボン)Meat Loaf(ミート・ローフ)などが参加してます。LucianoSimon Le Bonのデュエットによる「Ordinary World」はなかなかの聴きものです。(2000.10.15)

LUCIANO PAVAROTTI & FRIENDS / FOR THE CHILDREN OF LIBERIA (1998)   alla "Musica"
 この年の参加者はJon Bon Jovi(ジョン・ボン・ジョヴィ)The Corrs(ザ・コアーズ)Celine Dion(セリーヌ・ディオン)Spice Girls(スパイス・ガールズ)Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)Pino Daniele(ピーノ・ダニエーレ)Eros Ramazzotti(エロス・ラマッゾッティ)Zucchero(ズッケロ)と、相変わらず豪華な顔ぶれです。Luciano Pavarotti(ルチアーノ・パヴァロッティ)Pino Danieleのデュエットによる「Napule e'」は、しみじみとして、かなりよいです。(2000.10.15)



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LUCIANO ROSSI / EPPURE SEMBRA IERI (1998)
 ジャケット写真を見る限り、けっこうおじいちゃんなルチアーノ・ロッシ(Luciano Rossi)。頭の具合や口髭などが、元インディ・ドライバーのボビー・レイホールに似ています。ちょっと可愛い感じです。
 音のほうも、そんな印象そのままに、優しくて懐の広いおじさんの、あたたかい歌声が心地よく響きます。気候の温暖な土地、明るい陽射しの下で聴きたくなる、素直で素朴なアルバムです。(1999.02.11)



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Lucio Battisti / Amore e Non Amore (1970)   alla "Musica"
 ルチオ・バッティスティ(Lucio Battisti)の2nd アルバム。昔から日本盤が出ているので、国内的には認知度があると思うけど、はじめて彼のアルバムを聴く人にはおすすめしません。インスト曲とヴォーカル曲が交互に並ぶ構成は、プログレ・ファンなら気になるかもしれませんが、完成度は高くないと思います。(1998.10.04)

Lucio Battisti / UMANAMENTE UOMO : IL SOGNO (1972)   alla "Musica"
 ルチオ・バッティスティ(Lucio Battisti)のヌメロ・ウーノ(Numero Uno)レーベル第1作目。シンフォニック・ポップス風な部分とカンタウトーレ風な部分の両方がある、なかなかの名盤。フォルムラ・トレ(Formula 3)で有名な「夢のまた夢(Sognando e Risognando)」の原曲が入っています。(1998.10.04)

Lucio Battisti / IL MIO CANTO LIBERO (1972)   alla "Musica"
 自分が持っているルチオ・バッティスティ(Lucio Battisti)のアルバムのなかでは、もっともカンタウトーレ的なアルバム。落ち着いたなかに暖かさ、繊細さが聴き取れる、心安らぐアルバム。地味だけれど、とてもよいです。(1998.10.04)

Lucio Battisti / ANIMA LATINA (1974)   alla "Musica"
 ルチオ・バッティスティ(Lucio Battisti)のアルバムのなかでも、もっともプログレ風味が強いアルバムかも。あちらこちらでイル・ヴォーロ(il Volo)フォルムラ・トレ(Formula 3)風のフレーズ、アレンジなどが聴けます。アルバム1枚を通して密度の濃い演奏・唄が展開されます。(1998.10.04)

LUCIO BATTISTI / E GIA' (1982)
Lucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ)はイタリアにおけるカンタウトーレ(シンガー・ソングライター)の第一人者なわけで、その功績や作品のよさから、多くの尊敬を集めているのだけれど、じつは自分はそれほど好きというわけでもなかったりします。それでも初期のころの『Il mio canto libero』『Anima latina』などは好きなアルバムで、よく聴いたものですが、中期から晩年にかけての作品は、ほとんど聴いたことがありません。
この『E gia'』は後期の作品で、全体にエレポップなアレンジが施されているという、初期のころからはあまり想像しにくい作風になっています。自分は基本的にこうしたエレポップ・アレンジが苦手なので、このアルバムもちょっと苦手です。
厚みや重みのないぺらぺらしたシンセサイザーも、あまり美しさを感じないメロディも、中途半端に顔を出す東洋風味も、軽い感じで歌われるヴォーカルも、すべてが薄っぺらく感じてしまいます。同じエレポップ風でも、たとえばFranco Battiato(フランコ・バッティアート)のアルバムには、軽さと薄さのなかに奥深さを感じることもあるのですが(といっても、そう感じられるようになったのは最近になってからです。最初はやはり苦手でした)、このアルバムには、そういった奥行きが、自分には感じられません。
ところどころBattistiらしいメロディはあるのだけど、全体的には「ちょっと困っちゃったなぁ」という印象(自分としては、です)のアルバムでした。 (NUMERO UNO/BMG ARIOLA: PD 75371 / イタリアCD) (2003.10.19)

LUCIO BATTISTI / UNA DONNA PER AMICO (1978)   alla "Musica"
なんだかとても軽やか。曲によってはアメリカのサーフィン・ミュージックかよと思わせるようなコーラスが入ったり、ディスコティークなリズム・アレンジがあったりと、あれあれあれぇ〜という感じ。他の曲もほどよくスタイリッシュで、英米ポップスのニュアンスを感じます。なのに、やっぱり歌メロがどこかイタリアンなんですよねぇ。小洒落た都会(でも地方都市って感じ)の軽やかさやスタイリッシュさを感じさせつつ、英米のスッキリ感を含みつつ、でもそのベースにはしっかりとイタリアが息づいている。そんな印象を持ったアルバムでした。(NUMERO UNO / BMG ARIOLA: PD 74181 / イタリア盤CD) (2005.07.18)



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LUCIO DALLA / COME E' PROFONDO IL MARE (1977)
 シャリシャリとしたアコースティック・ギターの音と淡々としたヴォーカルが気持ちのいいアルバム。Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)は、個人的には楽しみ方がよくわからない、自分にとってはある意味で難しい人で、とくに最近のアルバムにそういう傾向が強く感じられるのですが、1977年のこのアルバムは素朴さといたずらっ子のような可愛らしさに満ちていて、素直に楽しめる感じがします。
 Lucioには「Caruso」のようなドラマティックなメロディ展開を持ったスケールの大きな曲もありますが、そういった曲よりは、淡々と歌われる曲のほうが、Lucioの良さがより感じられるように思います。Lucioのヴォーカルは歌唱力があるタイプではなく、独特の人間味とあたたかさがある字余り風の歌い方に魅力があるからです。
 どことなく古いブリティッシュ・ポップのような可愛らしい感じがありながら、あくまでもイタリア的、なのにいわゆる「カンツォーネ」の匂いはほとんどしないという、とても個性的な音楽を作り出す人だと思います。現在は独立したグループとして活動しているStadio(スターディオ)の演奏も、アメリカのグループを思わせるほどに切れがよく、そこにLucioのイタリアンな歌が乗ることで、いっそうLucioならではといった感じを出しています。
 明るい軽やかさと美しさのある、良いアルバムです。(2001.08.19)

LUCIO DALLA / DALLAMERICARUSO (1986)   alla "Musica"
 Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)などにもカバーされている名曲「Caruso」が収録されたライヴ盤。といっても「Caruso」はスタジオ収録です。他の曲はライブ収録され、バックの演奏はStadio(スターディオ)が担当しています。
 Stadioは高い演奏力を持つグループですが、今回はバック・バンドという立場もあってか、リラックスしたプレイが聴けます。Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)のほうも無理に力むことなく、Lucioらしい、さらっとしたなかにも人間味を感じさせるヴォーカルを、充分に聴かせてくれます。(2001.02.18)

LUCIO DALLA / CANZONI (1996)   alla "Musica"
 このアルバムは、イタリアでのレース中に事故死したブラジルの英雄、F1パイロットのアイルトン・セナを歌ったバラード「Ayrton」で始まります。短い生涯をサーキットの上で終えた天才に安らかな眠りをと語りかけるこの曲は、本当だったらもっと心を打ってもいいはずなのに、比較的淡々としたメロディとわざとらしいSEのために、どことなく興ざめしてしまいます。
 「Ayrton」以外の曲は、さりげないなかに暖かさ、優しさ、そして哀愁が感じられる曲が中心となっています。そのため、派手さはありませんが、聴くほどに味わいが深まりそうなアルバムではあります。(2000.11.12)

DALLA/DE GREGORI/MONTI/VENDITTI / DAL VIVO * BOLOGNA 2 SETTEMBRE 1974 (1975)
 アルバム・タイトルどおり、Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)、Francesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴリ)、Maria Monti(マリア・モンティ)、Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)が1974年にボローニャで行なったコンサートを収録したライヴ盤。
 どういう目的で行なわれたコンサートなのかはわからないが、いまではすっかり大物となった彼らの若いころの実況録音という点では、それなりに意味があるのだろう。構成はいたって普通で、それぞれのカンタウトーレが交互に自分の持ち歌を歌うというもの。一緒にセッションするとか、持ち歌を交換してみるといった試みはなく、たんに4人が自分の持ち時間を自分のために使っているだけのような印象なのが残念。唯一、M11「Buonanotte fratello」FrancescoAntonelloが組んで歌うという、ちょっとイタリアン・ポップスにくわしい人ならTheorius Campus(テオリウス・カンプス)を思い出させるところがあるのが興味深いかもしれません。
 中古で安く売られていたのでつい買ってしまったのだけど、参加しているカンタウトーレたちのファンでないと、なかなか楽しみにくいアルバムかも。ライヴならではの熱さや力強さといったものもとくになく、淡々と曲が演奏されていきます。複数アーティストによるライヴという性格上、アルバムとしてのドラマ性やストーリー性も期待できないですし、そのうえ収録曲や演奏がどれもどちらかというと地味なので、正直にいってちょっとつらい部分がありました。(2002.05.19)

LUCIO DALLA E GIANNI MORANDI / DALLA/MORANDI (1988)
タイトルどおり、Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)Gianni Morandi(ジァンニ・モランディ)による共演盤。といっても、ふたりで一緒にメインヴォーカルをとっている(いわゆるデュエット)のはM1「Vita」くらいで、あとはそれぞれのソロ作品みたいな曲がまぜこぜに収録されているだけという、なんだかよくわからないアルバムです。
しかし、こうして聴くと、やっぱGianniっていい声なんですね。Gianniのアルバムは何枚か持ってますが、自分はあまり好きじゃないというか、アルバムとしてはそんなに「いい」とは思ってないのですけれど、このアルバムのGianniは、なんか「いい」。このアルバムに収録されている曲が彼にあってるのかなぁ。それとも、癖の強いLucioの合間に流れるから、よさが際立つのかなぁ。
M5の「Felicita'」はむかし、なにかの映画のテーマ曲に使われたことがあるのだけど、なんて映画だったか、どんな映画だったか、ぜんぜん覚えてません。知り合いの女の子に頼まれて、東京・池袋の文芸座に一緒に観にいった映画で使われてたんですけど。あの当時、池袋の文芸座周辺は薄暗い感じの繁華街で、育ちのよい生真面目な若い女性がひとりで行くのは抵抗のあるような場所だったのよね。いまはどうなんだろ。長いこと池袋のあの辺って行ってないな。 (RCA/BMG ARIOLA: PD 71778 / ドイツ盤CD) (2004.07.25)

 全体的に軽やかでポップな曲が多く収録された、ルーチォ・ダッラ(Lucio Dalla)ジャンニ・モランディ(Gianni Morandi)の共演盤。彼らのペンによる曲はあまりなく、マリオ・ラヴェッツィ(Mario Lavezzi)フランコ・バッティアート(Franco Battiato)、ロザリーノ・チェッラマーレ(Rosalino Cellamare)など、他人の書いた曲を唄っています。
 洗練された、都会風のおしゃれな感じがしますが、メロディにはイタリアらしい美しさがあふれています。ルーチォの情熱的なヴォーカルはもちろん、ジャンニのおおらかでロマンティックな、往年のイタリアン・ポップスの香り漂うヴォーカルも、非常に心地よいものです。
 ただ、アルバム全体として聴いた場合、多少冗長かもしれません。(1999.02.11)




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LUIGI AMATO / ESPERIENZA D'AMORE (2001)
 たぶん、ナポリ出身の新人です。作曲とアレンジを、1999年のナポリ音楽祭優勝者であるGianni Fiorellino(ジァンニ・フィオレッリーノ)が担当しています。それもあってか、Gianni風のほどよく洗練されたナポリ・ポップスが聴けます。最近のGigi D'Alessio(ジジ・ダレッシォ)ほどは洗練されすぎておらず、Nino D'Angelo(ニーノ・ダンジェロ)ほどナポリ臭が濃くもなく、Gigi Finizio(ジジ・フィニツィオ)ほどポップでもない、あか抜けない哀愁と聴きやすさのバランスがよいといえます。
 何曲かではSantana(サンタナ)風のラテン風味もありますが、全体的にはなめらかでメロディアスなミディアム・テンポの曲が中心となっています。また、ところどころでナポリ方言が使われているようです。
 曲調的には、むかしからのイタリアらしい(ナポリらしい)魅力を感じますが、Luigi Amato(ルイジ・アマート)のヴォーカル自体は凡庸で、曲の魅力をうまく活かせていないと思います。「歌」としての魅力が薄めなのです。丸くあたたかい声はなかなかよいので、もう少し表現力をつけてほしいところです。(2002.01.20)



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LUIGI GRECHI / COSIVALAVITA (1999)
 落ちついた渋いカスレ声で歌われるフォーク・ロックは、正しくカンタウトーレ的といえるでしょう。カンタウトーレとはもともと、イタリアにおけるBob Dylan(ボブ・ディラン)フォロワーを呼ぶためにつくられた造語だといいますが、Luigi Grechi(ルイジ・グレキ)の歌には、そういった趣が強くあります。
 音楽的に洗練されているわけでも、高い演奏力で聴かせるわけでもありませんが、シンプルな歌には、なぜか説得力があります。音数は少ないのに、それが表現する世界にはどっしりとした質量が感じられるのです。
 夜の荒野をひとりで歩いているような、静かで広い大地を感じさせる彼の歌には、自分というものを見つめる詩人の心があるのではないでしょうか。無駄な音を省いて、必要最小限の演奏がされているように思いますが、聴き手の心にさまざまな風景や想いを抱かせるには充分です。
 どちらかというと通向けといった感じなので、一般的なポップス・ファンやイタリアン・ポップスの初心者には強くすすめませんが、味わいのあるいいアルバムです。ただし、決してポップではないので、その点はご注意を。(1999.10.11)



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LUIGI PROIETTI / GAETACACCIO (1978)
 アルバムの名義はLuigi Proietti(ルイジ・プロイエッティ)となっていますが、全曲が彼のヴォーカルというわけではありません。というのもこのアルバムは、アルバム・タイトルになっている『Gaetacaccio』というコンメディア(喜劇芝居)のサウンド・トラックなんです。
 この芝居の内容はわかりませんが、収録されている曲はLuigi自身の渋く、かつ張りのあるヴォーカルを聴かせるものをメインに、女性ヴォーカルを中心にしたものもあれば、M4「Tango della morte」ではタンゴのリズムとメロディに乗せた女性と男性のセリフの掛け合いを聴かせるものもあります。Luigiはどうやらナポリの出身らしく、全曲がLuigiの作曲によるこのアルバムにも、ナポリの雑多な騒がしさにあふれた日常の暖かさのようなものが、全体から感じられます。
 芝居のための音楽ということで、いわゆるナポレターナやナポリ・ポップスとは少し違った、劇中歌らしい「シーン」を想像させる部分が多くあります。その転ではClaudio Mattone(クラウディオ・マットーネ)『Scugnizzi』などにも少し感じが似ているかもしれません。ミュージック・ビジネスのなかで売ることを考えてつくられたのとは別の、素朴でさりげない「歌の喜び」のようなものが感じられるところが好ましいです。
 また、多くの曲にコーラス・グループのPandemonium(パンデモニウム)が参加していて、女声を中心に、ときに男声もまじえた混声コーラスも聴かせ、曲に厚みをつけています。Pandemoniumのコーラスが入った曲は、ときにSchola Cantorum(スコラ・カントルム)がナポリ・ミュージックを歌っているようでもあり、自分の好みに合います。(2003.01.26)



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LUNAPOP / ...SQUEREZ? (1999)   alla "Musica"
 曲の感じがイギリス風という点では、最近の若いイタリアン・グループと共通点がありますが、彼らのアルバムに聴かれるのは、最近のチャート系音楽へのシンパシーではなく、もっと古い時代のブリティッシュ・ポップ、たとえばElectric Light Orchestra(エレクトリック・ライト・オーケストラ。ELO)Elton John(エルトン・ジョン)などとおなじ肌触りのポップ・テイストです。なだらかでやわらかいメロディ、美しいコーラス、おだやかな時代を思わせる古き良きポップ・ロック・スピリットが、現代の若者たちにより、はつらつと演奏されます。(2001.01.21)



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